ファイリング・システム3つの柱詳細
ファイリング・システムには3つの大きな基本方針(柱)があります。
それは
- 不要文書の廃棄
- 文書の共有化
- 文書に流れをもたせる
ということです。
「第1の柱」 不要文書の廃棄
最初の第一歩は、不要文書の廃棄です。
まず、不要なものは「捨てる」ということを徹底して行います。
廃棄可能な文書の例
では具体的に廃棄する文書はどういったものがあるのでしょうか。
基本的には以下のようなものが廃棄対象の目安になります。
- 同一保管単位内(または個人)のファイルで、重複している同一の文書
- 印刷済、パソコン入力済などの文書
- 読み終わった新聞、雑誌類
- マイクロフィルムや電子媒体に保存した文書(原紙不要のもの)
- 用済の問い合わせ、回答などの文書
- 年賀状、礼状、DM、宣伝物
- 期日の過ぎた会議、展示会などの案内
- 古くなったマニュアル類
- 見直すことのない前任者から引き継いだ文書
- 古くて内容が陳腐化したような文書
- 過去1年間、利用されなかった文書
- 他部門から参考程度に送られてきた文書
- 保存年限満了の文書
50%は捨てられる
文書が増えてくると、目の届かない文書が出てきてしまいます。
「目が行き届くように絶対量を減らす」ということが大事です。
50%は廃棄してよい文書、20%はオフィスから書庫室へ移して保存すべき文書、30%だけが、オフィス内に保管しておく価値のある文書というデータもあります。
私の経験でも、ほとんどのオフィスでこの数字は当てはまっています。
実際にファイリング・システムの導入のお手伝いをした企業では、下の写真のように廃棄物が出ました。
![](<?php bloginfo('template_directory');?>/images/ono_photo_threepillars1.jpg” alt=”オフィスから出た廃棄物の写真” title=”オフィスから出た廃棄物の写真” width=”715″ height=”340″ /></div>
<p>このように不要な文書はどんどん破棄をしていきます。</p>
<h4>適正な保管文書量の目安</h4>
<p>「文書の50%は捨てられる」と言いましたが、実際に自部署にはそこまで文書がないと考えてしまう方もいると思います。<br />
それで、ここでは適切な保管文書量の目安を挙げてみます。<br />
ここで利用する単位は「F/m(ファイル・メーター)」を利用します。<br />
この単位は文書を積み上げた高さをメートル単位で表したものです。<br />
一般的に総務・経理・調査・設計といった部門などの文書量が多く、営業や製造部門のところは少なめの傾向になります。<br />
目安としては下記表のようになります。</p>
<table class=)
「第2の柱」 文書の共有化
「保管単位」を決めて集中管理
文書を組織的に有効活用するためには、文書の私物化を排除して、適切な管理単位(保管単位)で文書の「共有化」を進めなければなりません。
また、共有化を進めるためには懸案文書の管理方法や机の使い方など、様々なルールを作り、周知徹底させる必要があります。
個人から組織としての管理へ
![文書利用量と期間の関係グラフ(米国記録管理協会出典):半年経過で10%の利用、1年経過後は1% 文書利用量と期間の関係グラフ(米国記録管理協会出典):半年経過で10%の利用、1年経過後は1%](<?php bloginfo('template_directory');?>/images/ono_photo_threepillars2.jpg” alt=”文書を個人管理から組織管理へ変更する” title=”文書を個人管理から組織管理へ変更する” width=”715″ height=”340″ /></div>
<h3>「第3の柱」 文書に流れをもたせる</h3>
<h4>文書の利用度</h4>
<p>文書は時間の経過とともに、情報としての利用価値が著しく低下してきます。<br />
米国記録管理協会の調査では、文書の利用度は</p>
<ul>
<li>半年経過した文書の利用度はわずか10%</li>
<li>1年経過した文書の利用度はわずか1%</li>
</ul>
<p>という結果も出ています。</p>
<p>このような文書の利用傾向から、ファイリングでは特別な文書を除いて、原則「当年度」と「前年度」の2年度分をオフィスで保管します。それ以上必要な場合は、スペースコストの安い書庫室に移動してとっておきます。<br />
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保管→保存→廃棄という流れ
不要文書を廃棄し、組織で共有化を進めても、月日がたてば文書が溜まってきます。
必要な文書のみがオフィスに残り、不要になった文書がスムーズに廃棄できるシクミ<オフィス→廃棄><オフィス→書庫室→廃棄>が必要になり、ファイリングでは1ファイル単位にその流れ(基準)を作っていきます。
下記の4つの用語を覚えておきましょう。
保管 :オフィスの中で文書を管理すること
保存 :オフィスでの利用期間が終り、書庫室などで管理すること
ウツシカエ:当年度の場所から前年度の場所へファイルを移動すること
オキカエ :オフィスから書庫室などへ文書を移動して管理すること